何度キミに逢えば……。


「輝チャンたちはどうする?」


柚希は輝サンと陽太のお母さんに聞いた。


輝サンは隣で泣いている彼女を見て悟ったように答えた。


「俺たちはここにいるよ」


『じゃあ……行ってきます』


柚希サンと霊安室をあとにした。



エレベーターに乗り込んだ。


『……女の子の名前は?』


柚希サンは質問に答えず口を閉ざしたままだった。

エレベーターを降り少し歩いてあの病室の前で立ち止まった。


そして閉ざされたままだった口を開いた。


さっきの質問も答えてくれた。


「ここだよ。小里海世(こざと・みよ)チャン」


ここって……。

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