グッバイ・ティラミス




ーーだったら、「一番の生徒」なんて意味がない。




「…ねえ、先生。」

「ん?」




気づいてしまった。
私は気づいたら、どんどんワガママになってしまっていた。




私は「一番の生徒」じゃなくて、「先生の彼女」になりたい。


…でも、「一番の生徒」だからこそ、「先生の彼女」になれないことは、誰よりもわかっている。



「来週の金曜日、私の誕生日なんだ。」



先生の目を、ジィっと見た。


そしたら先生も、私の目をジィっと見つめ返してくる。


照れくさくって、恥ずかしくって、頭がどうにかなってしまいそうだったけど、今目を逸らしたら私の気持ちがバレてしまう気がして。


私は先生の目から視線を離すことができなかったの。




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