グッバイ・ティラミス
「なっちゃんみたいな、生徒かな。」
ずっきゅーーーーーーーーん
…あぁ、ずるい。
やられてしまった。
「…、なんでー?」
「そりゃあ自分に懐いてくれてる生徒は可愛いっしょ。」
ドキドキ ドキドキ
ボボボボッとつま先から頭のてっぺんまで、熱が走ってくるのを、必死に抑えて。
気をぬくと緩んでしまいそうな口元を、必死にいつも通りの形を保つ。
これは、ダメだ。
ニヤニヤが抑えられない。
先生は私をドキドキさせていることに気づいてないようで、いつも通りのサラリとした口調で続けてこういった。
「なっちゃん、可愛いもん。」