グッバイ・ティラミス
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グッバイ、ティラミス
「ーーなぁんてことが、あったんだよね。」
ポンっ、と。
アイロンをかけ終わった洗濯物を一気にたたみかけて。その流れのまま、次のしわくちゃな洗濯物に手を伸ばした。
外で金木犀やらの花が咲き乱れているからか、吸い込まれる空気はほんのりフローラルの香りがして。
すごく、心地よかったから、思いっきり空気を吸い込んだ。
もう、春だ。
「結局さ、そのあと私は泣き出しちゃってさ〜、先生は何事もなかったようにニコニコしてるの〜。
ちょっとくらい、動揺する素振りくらいしてくれてもいいのにね。」
"知ってたよ。"
あの時の先生の落ち着いた声色が、頭にこだまする。