グッバイ・ティラミス



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「知ってたよ。」




先生の声色は、小さい赤ん坊をなだめるかのように穏やかだった。

感情がブワっと膨れ上がって手をブルブル震わしている私を、先生は目尻を優しく下げながらジッと見つめる。



「なっちゃんが俺のことを好きなの、ずっと気づいてた。」




ーーじゃあ、なんで、

なんで、わかっていて、そんな素振りを見せたの?



そんな疑問が、頭に浮かびあがる。



じゃあ、なんで、私を突き放そうとしなかったの?
じゃあなんで、私を他の生徒よりも近くに置いたの?


なんで、私のこと「なっちゃん」って呼んだの?



「嬉しかったんだ。」




先生は私が疑問を口にする前に、その答えを話し始めた。



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