グッバイ・ティラミス
「…ねぇ。」
先生が説明しているのを、遮った。先生が少しだけ無表情にこちらを見る。
話の腰を折ったことに、少し嫌悪感を抱いてるのかな。表情に感情が一切入っていないから、先生が何を考えているのか、イマイチわからない。
「…なんですか。」
「先生、彼女いるのー?」
的外れな質問をしているって、わかってる。こんなことを聞くタイミングじゃないことも、わかってる。
でも、それでも聞いてみたかった。
今、聞いてみたかった。
答えてくれないのなんか、わかってるけど。
「望月は英語の質問しにここに来たんでしょう。さっさと、続きを解説するよ。」
…こうすれば、ちょっとだけ、敬語を崩してくれるのも、わかっていたから。
「…はーい。」
質問は流されてしまったけど、敬語ではない口調を聞けたから、満足。
せっかく時間を作ってくれた先生に悪いし、先生の説明を聞くことにする。