グッバイ・ティラミス



…こんなの、見たくなかった。



「これ、彼女さん…?」


私の顔面に降ってきた、紙切れ。
それは先生と女の人が至近距離で肩を組み合っている、ツーショットで。



「…!それ!」



先生が焦ったような、驚いたような声を出している。今の私には、あまりよく耳に通らない。



……いや。

もしかしたら、違うかもしれない。
2人で写っているってだけで、仲いい女友達かもしれないし。肩を組み合ってるのは、単なるノリかもしれないし。



「……っ。」



…そんなわけ、ないじゃん。


初めてみた先生の私服に、子供みたいに無邪気な笑顔。背景は、ディズニーランド。


彼女さんの頬はほんのり紅色に染まっていて。
それが伝染したのか、もしくは先生が彼女さんに移したのかはわからないけど、先生の頬も紅色に染まっている。



写真なのに伝わってくる、お互いを大切だと、愛おしいと思っているような、空気。

これが、彼女さんじゃないわけがない。





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