グッバイ・ティラミス


あぁ、私、今すごく、泣きたい。


今まで彼女さんはいないって、信じてきた。その可能性を考えても、なるべく目を背けていた。


その事実と、向き合いたくなかった。



なのに、こんな状況で知るなんて、ひどい。

心の準備もできてないし、何より先生本人がいる。



これじゃぁ、泣けないじゃん。



「これ、彼女さんですよね?」

「望月…!」

「先生、彼女いたんだ〜。」



泣きたい。泣きたい。
でも、泣かない。
泣いちゃ、ダメだ。


平静を保たなきゃ。
明るくしなきゃ。


でないと自分を抑えられなくなっちゃいそう。




「…あれ?」




先生をからかってる風に写真を眺めていたら。ひとつ、気づいたことがある。




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