グッバイ・ティラミス
中村先生は、こういうのもあれかもしれないけど、未熟な人だった。
すぐに機嫌が顔に出て、生徒に怯えたり、ある時は突然怒鳴り出したり。生徒をまとめられなくて、泣いてしまったこともある。
子供のまま、大人になったような人。
正直私は、先生の彼女とかそれ以前に中村先生が好きじゃなかったし、他の生徒も嫌っていた。
「静かにしてください…!」
教卓の前で生徒の顔色を伺いながらも、中村戦績が必死になってる。
生徒の顔色なんか伺わなくて、いーじゃん。堂々とすれば、いーのに。
だから、ナメられるんだよ…。
「……。」
自分でも意地悪な心情が浮かんでくるのを自覚していて。それは、中村先生が先生の彼女だということは関係ないのだと、自分に言い聞かせる。
先生の彼女だとわかる前から、こんなこと思っていた。
先生の彼女だということは関係ない。
関係、ないんだ。