グッバイ・ティラミス


「先生先生!」って先生に甘える一生徒にしか見えないかもしれないし、一時的なものだって言われるかもしれないけれど。


私はいつだって本気で。先生に会えない日は寂しいし、気づいたら先生のことを考えちゃうくらいは、重症で。一日の私のテンションのさじ加減は、先生が握っていて。



私は、私ができることは全部してるつもりだった。


質問もいっぱいして、授業も一生懸命聞いて、先生の教科である英語はいい点数取って。
廊下で会えば話しかけたし、用事がなくても放課後隣のクラスまで行ったりして。



ちょっとでも、他の生徒より飛び抜けた存在になろうと必死だった。






ーーそれでも、

この時の時点で、先生にとって私は他の生徒と何にも変わらない、ただの「生徒」にしかすぎなかったと思うのです。


ちょっとだけ他の生徒以上に自分を慕ってくれ、他の生徒よりは仲が良いだけの、可愛い生徒にすぎなかったはずなのです。



……変化が起きたのは、先生のある秘密を握ってしまってから。







< 5 / 125 >

この作品をシェア

pagetop