グッバイ・ティラミス
「先生先生!」って先生に甘える一生徒にしか見えないかもしれないし、一時的なものだって言われるかもしれないけれど。
私はいつだって本気で。先生に会えない日は寂しいし、気づいたら先生のことを考えちゃうくらいは、重症で。一日の私のテンションのさじ加減は、先生が握っていて。
私は、私ができることは全部してるつもりだった。
質問もいっぱいして、授業も一生懸命聞いて、先生の教科である英語はいい点数取って。
廊下で会えば話しかけたし、用事がなくても放課後隣のクラスまで行ったりして。
ちょっとでも、他の生徒より飛び抜けた存在になろうと必死だった。
ーーそれでも、
この時の時点で、先生にとって私は他の生徒と何にも変わらない、ただの「生徒」にしかすぎなかったと思うのです。
ちょっとだけ他の生徒以上に自分を慕ってくれ、他の生徒よりは仲が良いだけの、可愛い生徒にすぎなかったはずなのです。
……変化が起きたのは、先生のある秘密を握ってしまってから。