グッバイ・ティラミス
グレイライン
もしも先生に彼女がいなかったら。
もしも先生と、中村先生より早く出会えていたら。
もしも私と先生が、生徒と先生の関係じゃなかったら。
もしかしたら、先生が私を見てくれる可能性があったかもしれない。
もしかしたら、中村先生と付き合っていなかったかもしれない。
未来は少しだけ、変わっていたのかも。
現実は現実とは違う、「もしも〜なら、〜なのに。」で溢れている。
先生に教えてもらった、仮定法で表せそうなことが、いっぱいある。
「…だから、仮定法は、一つ前の時制で表す。」
先生の、英語の授業中。
先生が今話したり、黒板に書いてることは、この前の放課後補習でやった、仮定法。
(もし〜なら、〜なのに。)
先生との補習の効果があってか、先生の説明が頭にスルスルと溶け込んでいく。