グッバイ・ティラミス
先生は私が英語を頑張る理由を、知らない。あんなに先生に褒められたかったはずなのに、悲しみに近い苦味のようなものを感じる。
先生が思ってるほど、私は偉い子じゃない。私の努力は、下心だらけだ。
英語の質問も、放課後の講習も、英語のテストを頑張るのも、英語が純粋にできるようになりたいわけじゃない。
先生に、近づきたかったの。
ーーこんなはずじゃ、なかったのに。
「えらくないもん…。」
「なんで?普通にすごいじゃん。」
ただ先生に少しでも近づいて、先生の印象に少しでも鮮やかに残れれば、それで十分だった。
それ以上望んでいないといえば嘘になるけど、それ以上の関係になれないことも、十分わかってた。
先生をこんなにも、もっともっと好きになってしまうなんて、…こんなはずじゃ、なかったの。