グッバイ・ティラミス
「生徒の目なんか気にするな、って俺もよくアイツに言ってるんだけど。」
「……。」
「やっぱりアイツは、生徒からの目や評価が気になってしまうみたいで。」
知っているんじゃん。
中村先生がダメな先生だってこと、あまりできた教師ではないってこと、先生はちゃんとわかっているんじゃん。
…でも、
「生徒の機嫌伺っても、生徒から好かれるわけじゃないのにな。」
それでも、先生は中村先生が好きなんだね。
生徒からの評判が悪くったって、ダメな教師であっても、中村先生を選ぶんだね。
先生が見ているのは、きっと「教師としての」中村先生ではないんだ。
「でもな?」
ーー知りたくないよ。
これ以上、先生の目に映る「中村先生」なんて、知りたくない。
「アイツも頑張っているんだよ。」
中村先生をかばう先生の姿なんて、私、見たくない。