グッバイ・ティラミス



先生は一瞬で、困ったように私から視線を逸らして。
きちんと散髪して整えられた髪を、少しだけグチャグチャってかき乱して。


そんな先生の姿に、私は泣きたいような悔しいような、よくわからない感情になる。



先生、今、困ってる。
私のせいだ。



「キライじゃないよ。」

「……。」



…あぁ、今、私、


すごい、泣きそう。



「だって、なっちゃんは大事な生徒だもん。」




先生にこんな言葉を、言わせちゃった。先生を困らせちゃった。



でも

中村先生を傷つけたのに。
大事な彼女を、攻撃したのに。


先生は私を大事って、言ってくれた。


でもそれだけで満足できないのは、なんでなんだろう。



「本当はこんなこと言っちゃいけないかもしれないけど…、
なっちゃんは一番大事な生徒だよ。」



先生、


私今、すごく苦しいよ。







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