グッバイ・ティラミス
なっちゃんは一番大事な生徒だよ。
…なんて、そんな言葉。
嬉しいはずなのに、一番欲しかったはずなのに、素直に喜ぶことができないの。
先生が中村先生の話をしたから?
先生が中村先生のことを庇ったから?
…わからない、けど。
私の中に溜まっていった嫌な感情とか、先生への「好き」だとか
いろんなものが、今、爆発してしまいそう。
「…本当?」
「うん。」
「じゃあさ、」
何が不満なの?
何が気に入らないの?
自分で自分がわからない。
当初目指していた、「一番の生徒」にはなることができたでしょ?
「中村先生と私が溺れかけているとして、一人しか助けられないとしたら、
先生はどっちを助ける?」
「……っ。」
……あぁ、そっか、
私、気づいてしまった。