ツンデレ彼女。
「どーいう意味よ」
昴がビー玉のように丸い目を
更に大きくしながら訪ねる。
「お前モテんだろ?彼女とかいるだろ、絶対」
「昼休み、お前がモテそうにないって言ったじゃんかよ」
「確かに童顔でガキっぽいが、そういうのが好きな奇怪な奴も居るだろうし......」
「フォローになってねーよ」
まっすぐと闇の先を見つめながら
昴が呟く。
理恵は未だ俯いたままうなだれていた。
二人の間に気まずい空気が流れる。
どんな話題を話せばいいのか分からない。
「.........」
「.........」
二人の耳に聞こえるのは
静かな雨の音だけ。
それ以外には何も聞こえなかった。