ツンデレ彼女。
▼第2章
あれから数週間が経つ。
あの後、二人はいつも通りに戻っていた。
普通に言い合い、普通に喧嘩して。
気がつけば『犬猿の仲』とかいう噂が広がり、
理恵と昴は校内の有名人となった。
そんな理恵に対し、
昴に思いを寄せる女子からの態度は冷たかった。
イジメとまではいかないものの、
陰口やガン飛ばしなど、
ほぼ毎日されている。
しかし理恵は気にせず昴と日々喧嘩し
悪態をつき合うのだった。
「理恵はいいなぁ~」
休み時間、理恵の友人の
安藤 時奈〈あんどう ときな〉が呟いた。
右手には購買で買ってきた
コーヒー牛乳が握られている。
「何が?」
理恵は無機質にそう尋ねた。