ツンデレ彼女。
苦い表情をしながら道路の先を見つめる。
ここからの道は駅に通じていて、
駅の方が混雑していた。
通勤ラッシュに重なってしまったのだ。
「どうかしたか?」
訪ねてくる昴に
無言で腕時計を見せる。
みるみる昴の表情も曇ってきて
二人で顔を見合わせる。
「テメェが急に話しかけるから......」
「私のセイだとでも言いたいのか?大体はお前が」
「あー、うるせー!ったく、今からじゃ間にあうか分かんねェな......」
昴はため息をつきながら
広いパノラマをバックに先を見つめる。
理恵は黙り込んで、そんな昴の
横顔に何か言いたげに
生意気な視線を向けていた。
「......サボる、か?」