heart and cold~私には貴方だけ~【完】
階段を登りきって廊下を見渡す。
日が沈みかけているからか、薄暗くなってきていて青い世界に包まれていた。
その中で、一番奥の角部屋のドアから光が漏れていた。
あそこに璃花は居るだろう。
一層足音をたてないように注意しながら向かう。
ドアの前に立って、耳を澄ませてみても静かだった。
俺は、そっとドアノブに手をかけた。
カチャリ…
目に光が入って前が一瞬見えなかったけど、すぐに慣れさせて部屋の中を見た。
…璃花!
璃花はベッドにうつぶせに倒れていた。
呼吸は荒く苦しそうで、最悪の事態が頭をよぎった。
そばに駆け寄ってみたけど、外傷などはない。