heart and cold~私には貴方だけ~【完】
「璃花…!璃花…!」
上体を起こして呼びかけても返事はない。
ただ荒い息をしているばかり。
ふと思い当たって額に手を当てると、案の定すごく熱かった。
熱で倒れたのか…
ほっとした。
襲われたとかじゃなくて本当によかった。
気が抜けて璃花を下ろすのと同時に自分もベッドに突っ伏した。
璃花に覆い被さったのは内緒。
でもすぐさま璃花にちゃんと布団を掛けて、冷えピタとポカリを買いに出かけた。
多分五分も立たないうちに帰ってこれたと思う。
スーパーが近くにあるし、スポーツ万能の俺が本気出せば三百メートルなんか往復一分だし。
とにかく璃花が一人になる時間を減らしたかった。
弱っている人のそばをあまり離れたくない。
早く璃花の状態が良くなって欲しかった。
人のために頑張ったのは久ぶり…