heart and cold~私には貴方だけ~【完】





そうやって考えているうちに一周回りきった。



「はぁ…はぁ…はぁ…」



昨日より息が上がらなくなってる。



着々と自主練の成果が上がってきていることが嬉しい。



「櫻坂くん」



集中を切られる。



せっかく喜んで高ぶっていた感情が一気に落ちた…



声がした方へ向くこともせず歩く。



「お疲れ様」



毎日同じ声音で言われるその言葉はどこか不気味。



なにより平然としていることが腹立たしくて仕方がない。



無視。



俺は自分の荷物の方へ向かった。



「櫻坂くん!無視、しないでよ…」



何か言ってても聞こえない、聞こえない。



俺みたいにモテる奴はチームメイトに結構いて、そいつらに相談したら無視が一番だって言ってたから。





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