heart and cold~私には貴方だけ~【完】
外灯に照らされた校庭の時計を見ると、六時半。
バッグを肩に掛けて校門に向かう。
誰にでも優しくするけど、メリハリをつけないといけないこともチームメイトたちが言っていた。
だから振り返らずに歩みを進めてあいつを突き放した。
これでいい。
たぶんもう来ないだろう。
校門を出ると、姉ちゃんが待っていた。
姉ちゃんはふたつ上で、高校は電車通学で通っている。
「お疲れ、はるき。」
俺に気づいてにこりとしながらいつもの言葉。
でも学校で聞くのは初めてだ。
いつも家で聞く…