heart and cold~私には貴方だけ~【完】





「わか、り、ました…」



こうなるだろうって予想はしていても、本当にそうなる度に崩れていく心。



今度こそ崩されないで守りきりたかったのに…



声を出すことも辛くて、言葉がかすれる。



「ごめん…僕が、悪いんだ。調子に乗ってたんだと思う…憧れの君に近づけて。」



感情を押し込めた瞳で、ポツリとつぶやいた。



「ッ!」



あたしが、憧れ…?



酷く申し訳ない気持ちになる。



同時に、そこまで思っていてくれたのなら



“もし”は絶対有り得ないことだけど



もし、全てが今じゃなくて、もっとわかりあえてからだったら



上村君はあたしを受け入れてくれていたのかな…



なんて、仕方のないことを思ってしまった。



ばかだな…あたし…





< 167 / 346 >

この作品をシェア

pagetop