heart and cold~私には貴方だけ~【完】
「わか、り、ました…」
こうなるだろうって予想はしていても、本当にそうなる度に崩れていく心。
今度こそ崩されないで守りきりたかったのに…
声を出すことも辛くて、言葉がかすれる。
「ごめん…僕が、悪いんだ。調子に乗ってたんだと思う…憧れの君に近づけて。」
感情を押し込めた瞳で、ポツリとつぶやいた。
「ッ!」
あたしが、憧れ…?
酷く申し訳ない気持ちになる。
同時に、そこまで思っていてくれたのなら
“もし”は絶対有り得ないことだけど
もし、全てが今じゃなくて、もっとわかりあえてからだったら
上村君はあたしを受け入れてくれていたのかな…
なんて、仕方のないことを思ってしまった。
ばかだな…あたし…