heart and cold~私には貴方だけ~【完】
また涙が溢れ出しそうで、まぶたを閉じた。
「それだけは駄目…簡単に言えない!」
自分のために誰かを嫌ったり、悪口を言ったり…
そんな事をしてもあたしの心は晴れない。
それはあたしの、昔犯した罪の罰。
あの時が始まりだった。
お父さんが死んだ時…
「あたしが、自分ばかり悲しんで…お母さんの方が絶対悲しかったのに!なのに、自分だけ不幸な顔して、お母さんに我慢させて、苦しめた!あたしが、支えるべきだったのに!」
顔は悲しみや後悔で歪んでく。
口からは悲鳴のような言葉しか出ない。
「何があった?話して」
全部を俺に──
あたしは、はるき君があまりにも優しくて、温かくて
身をゆだねるように、気がつけばポツポツと話し始めた…───