heart and cold~私には貴方だけ~【完】
病院に着いて、お母さんが待っているらしい病室に向かった。
ドアの前で先生と別れた。
「ここまでが先生の限界。璃花ちゃん…気をしっかり持ってね」
心配そうにしながらそれだけ言って去っていった。
中に何があるんだろう?
お母さん…とお父さん…だよね?
息を吸って、吐けないままドアをノックした…
返事がない。
静かにドアを恐る恐る開ける。
目に飛び込んだのは
真っ白なベッドに横たわるお父さんと、その横で椅子に座ったままうなだれているお母さんだった…
子供のあたしでもわかる緊迫した空気に、音を立てないようにお母さんに近づく。