heart and cold~私には貴方だけ~【完】
「すみません…不可抗力です。」
不可抗力…?
隣に寝そべることが不可抗力というのはなんなんだろうか。
「どうして?」
「どうしてでしょう。」
満面の笑みで返される。
どうやら何がどう不可抗力なのか説明する気はないらしい。
「そんなに、疲れていたの?」
「まぁ…そんな感じかな?」
的を射ているようで射ていないらしい。
「じゃあどうし、」
「…お粥以外にも作ってあるから、良かったら食べて。おばさんにはよろしく伝えておいて。」
話の途中でそう言いながら逃げるように部屋のドアへ向かうはるき君。
「ちょっと、ちょっと待って!」
パタン…
振り返ることもなく、ドアが閉められた。
部屋にはあたしと
ベッドのはるき君の温もりだけが残された…──