heart and cold~私には貴方だけ~【完】
ー長距離ー
────……
俺は、璃花も家族のことで悩みがあったことを、
しかも半端じゃないほどつらいことがあったこと
知った。
腕の中で、俺の服にしがみついて泣く璃花は小さくて、壊れてしまいそうだった…
俺は、ちゃんと慰めることが出来ただろうか?
“似ている”からと言っても
やっぱり自分とは違う人間だから、発した言葉も抱きしめ方も合っているか分からない…
そうか…
俺たちは完璧だけど、
あくまで勉強と外見だけで、
人をきちんと分かることができないんだ…
人は数多の答えを持っているから
計算してもその中の一つにすぎない。
違う答えを選ばれたらそれまでなんだから。
もしかしてそれは誰にでも言えるのだろうか?