heart and cold~私には貴方だけ~【完】
そんなことを考えていたら気づけば閉会していた。
二人でぼーっとしていたけど、璃花を見ていると内容は去年と変わらないようだから問題なし。
璃花の動きにあわせて出口へ流れていく人ごみに紛れた。
どうやら荷物を持ってきていた人ばかりだったようで、二人きりで教室までの廊下を歩く。
生徒たちの声が遠くに聞こえる…
まるで二人だけ世界から切り離されたみたいだ。
背筋をピシッと伸ばして前を歩く彼女までもが遠く感じた…
近いはずなのに、その背中はどこかへ行ってしまいそうで
曖昧さを明確にしたい…
無意識に手を伸ばし
彼女の綺麗な長い髪に────────…