heart and cold~私には貴方だけ~【完】
6,桜菓子
ー飴細工ー
────…
「ッ!」
突然くすぐったさを覚えて我に返る。
またはるき君のことを考えていた…
チラッと見ると、少し間をあけて後ろで歩いていたはずのはるき君が
距離を積めてあたしの下ろした長い髪を触っていた。
胸が跳ねて思わず足を止める。
じっと彼を見つめていると、髪を見つめていた目があたしに向いた。
ドクン…
「璃花…」
ドクン、ドクン、ドクンドクンドクン…
見つめられただけなのに
名前を呼ばれただけなのに
こんなにドキドキしてしまう。
そっと、はるき君はあたしの頬に触れて…