heart and cold~私には貴方だけ~【完】
「じゃあ、また明日…」
あたしの家の前に着くのはあっという間だった。
手を繋いで終始無言だったのに、気がついたら家の前に来ていた。
柵の前でそう言っても、はるき君はなにも言わない。
離したくないな…この手。
でも帰らなくてはならない。
離そうと手を引っ張ると、ギュッとますます握られた。
はるき君の視線が熱い。
行くなと目で訴えられる。
「…1時間」
「え?」
「1時間後にまた会えない?」
1時間…
「うん。わかった。それまでに家事済ませておく。」
「ん。じゃ、1時間後にそっち行く。またな」
さっきとは違って無邪気に笑いながら手をゆっくり離した。
「またね」
去っていくのを見届けると、すぐに家に入った。