heart and cold~私には貴方だけ~【完】





さくらとの出逢い─…



『可愛いね!えっと、璃花ちゃんでいいんだよね?』



初めて見たとき、ふわふわしていてちっちゃくて、とても可愛い子だと思った。



『わたしはさくらって言うんだ!お友達になってください!』



お高く見られるのか、入学式から1ヶ月経ってもクラスで浮いていたあたしを、優しい笑顔で歩み寄ってくれた。



『駄目だよ!なに言われたっていいじゃん!あっちがおかしいだけだよ!相手にして格を下げちゃだめ。』



あたしのことを考えてくれて、いつも大切なことを教えてくれた。



それなのに─…



さくらのことを思い出してしまい、止まらない思考と止まった予習復習。



ぼーっと、目はノートの一点だけを見つめて動かない。





< 255 / 346 >

この作品をシェア

pagetop