heart and cold~私には貴方だけ~【完】
さくらとの出逢い─…
『可愛いね!えっと、璃花ちゃんでいいんだよね?』
初めて見たとき、ふわふわしていてちっちゃくて、とても可愛い子だと思った。
『わたしはさくらって言うんだ!お友達になってください!』
お高く見られるのか、入学式から1ヶ月経ってもクラスで浮いていたあたしを、優しい笑顔で歩み寄ってくれた。
『駄目だよ!なに言われたっていいじゃん!あっちがおかしいだけだよ!相手にして格を下げちゃだめ。』
あたしのことを考えてくれて、いつも大切なことを教えてくれた。
それなのに─…
さくらのことを思い出してしまい、止まらない思考と止まった予習復習。
ぼーっと、目はノートの一点だけを見つめて動かない。