heart and cold~私には貴方だけ~【完】
パタリ…
パタリ…
頬を温かい何かが伝っていると気づいたのは、視界の悪さに気付いてから。
「まだ…悲しいのね…ぅ…」
胸の奥が苦しくて、ルームウェアの上から拳をギュッと握った。
机の上は中途半端なままあたしは悲しみに沈み出す。
だから気づかなかった。
「璃花…」
優しい温もりが背中から、耳元から伝わる。
「は、はるきくん…?!」
いつの間にかはるきくんが家に、というか部屋に入って来ていた。