heart and cold~私には貴方だけ~【完】





「…上村君…!」



去っていく後ろ姿に名前を投げた。



振り返った上村君は凄く不機嫌そうで、眉間にしわが寄っていた。



あんなに優しい笑顔を向けてくれていたのに…



あたしは彼の笑顔さえも壊したのか…



上村君の顔を見るなり、過去の罪があたしを責め立てる。



つらくて、自分で呼び止めたのにも関わらず、何も口から出なかった。



呼吸も忘れていた。



「なに?」



沈黙に耐えかねてか、上村君から口を開いた。





< 275 / 346 >

この作品をシェア

pagetop