heart and cold~私には貴方だけ~【完】
───壊したくない…
好きなのに俺はまっすぐ璃花を抱きしめに行かずに、華奢な背中を見つめた。
何を考えているんだろう。
俺のこと、思ってくれている?
璃花の心に少しでもとどめて欲しい。
もしかすると昨日一緒に帰れなかったから、嫌いになったりするんじゃないか。
そんなことばかり考える俺は…
彼女の小さな背中を包みたくて仕方ないのに、
自分勝手な臆病に負けていていいのだろうか。