heart and cold~私には貴方だけ~【完】
ぽんっ
頭にそっと、優しい重さを感じた。
その知らない男子の手が乗ったようだ。
「平気だよ。俺は別に君をどうしようとか思ってないし、困ってる人を見過ごせないんだ。」
優しい声色だった…
「……あたし…困ってない…」
やっと絞り出した言葉がこんなのなんて…
「困ってるよ…?」
俯いたままのあたしの顔を覗き込みながら
「泣きたいのに泣けないんでしょ?」
優しく微笑んだ。