heart and cold~私には貴方だけ~【完】
当たってるし…!?
「なんっ…!?」
唇に彼の人差し指が押し当てられ、黙らされた。
「いいからいいから…今だけは…君は優等生じゃない。ただのか弱い、小さな女の子だよ…」
聞き捨てならないセリフを聞いたのに(か弱いとか)、何も言い返せなかったのは
彼の容姿が美しかったから。
はっきりと見た、彼の姿。
春の柔らかな日差しを浴びた、秋の黄金の夕日のような金髪。
さらさらしてそうな真っ直ぐなその髪は、真っ直ぐかと思って視線を滑らせると毛先がはねている。
顔はすっきりとした鼻立ちにぱっちり二重まぶたで、眉毛はきりりと整えられている。
はだけているワイシャツの襟の間から、ちょっとセクシーな鎖骨が見えた。
唇に押し当てられた指も手も腕も細くて角張っていて、なんか引き締まってる感じ…
彼の優しい眼差し、声色、すべてがあたしを安心させた。
ふと目から感情が溢れ出した…