heart and cold~私には貴方だけ~【完】
俺は、通いやすくて頭のいい高校が良かった。
私立なのに今の学校にしたのは、上位10名には制服代と教科書代以外は免除という素晴らしい特典があったからだ。
俺の学力ならちょうどいいか楽くらいだし、中3には学年トップになってたから迷いなく選んだ。
トップも取れるだろうって思ってたし。
でも、入学式の新入生代表は俺じゃなくて夏目 璃花って女子生徒で
俺は2位だった。
そして、壇上に上がった彼女の姿を見た瞬間…
目が離せなくなった。
周りの雑音はすべて消え、彼女の声だけが響いて、彼女の姿だけが目に映っていた。
…俺と同じ匂いがする。