猫かぶりの年下くん
「幹斗…「別れ話?」


え…?


今、別れ話って言ったよね…?


「ち…違うよ?」


「さっき矢野さんと婚約者がどうとか話してたでしょ?」


矢野さんとは萌花のこと。


聞こえてたの…!?


「俺…茜がなんと言おうと…婚約者がいようと別れないから…!」


幹斗…。


あたしはこんなに愛されてるんだね…。


幸せだよ…!


「え…茜!?」


あたしはぎゅっと幹斗を抱きしめた。


「幹斗…あたしは幹斗と別れないよ…?」


あたしは幹斗から離れて言った。


「茜、別れ話するんじゃないの…!?」


あたしは首を横に振った。


「実はね…」


学校に一緒に来た涼が婚約者ということ…


それはその前日に親同士が決めたということ…


あたしは幹斗に話した。


「だから…涼にはあたしたちが付き合ってるのは内緒にしなきゃならないの…。」


幹斗は黙ったまま。


幹斗…。


「婚約解消はできないの?」


やっぱりそうだよね…。


「あたしも婚約した後すぐに解消したかったんだけど…涼が…」


幹斗には言いたくないよ…。


キスされるなんて…。


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