猫かぶりの年下くん
それにしても…涼って本当はああいう性格だったんだ…。


今思えば中学生にもなって甘えん坊なんておかしいしね…。


まんまと騙されてたんだなぁ…。


なんか無性にむかつく…。


それに涼と婚約ってことは…


あたし自由に恋できないじゃん!!


どうしよう…。


実はあたしには好きな人がいる。


あたしの前の席の高城幹斗[たかぎみきと]くん。


入学して1週間。


しゃべるようになってあたしは高城くんに惹かれていった。


高城くんはモテるわけじゃない。


顔はたぶん普通だと思う。


でも性格がいいの。


すごく優しくて、安心できるような…そんなオーラがある。


毎日高城くんと話せる。


ただそれだけの理由で学校が楽しみだった。


告白はもちろんまだしてない。


もう少しあたしのことを知ってもらってからしようと思ってたのに…。


あたしの片想いは叶うことも散ることもなく終わっちゃうのか…。


終わるなら…せめて玉砕してからがよかったなぁ…。


あたしはあきらめるか玉砕するか…今後のことについて考えながら、その夜眠った。


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