猫かぶりの年下くん
翌朝━


「いってきます!」


あたしは準備を終え、家を出た。


「おはよう♪茜ちゃん♪」


…はい?


なんで涼があたしの家の前にいるのよ!


「涼…なんでいるの…!?」


あたしがそう言うと、涼はちょっとキョトンとしてから笑い言った。


「もちろん学校まで茜ちゃんを送ろうと思って!」


送る!?


「学校違うでしょ!?」


涼は中学、あたしは高校。


学校同士は近いわけでもなく、どっちかというと遠い。


「いいの!それに僕は茜ちゃんの婚約者だしね!」


あっ…。


そういえば、涼って婚約者なんだっけ…。


でも関係ない!


「送らなくていいよ!目立ちたくないし!」


そう。


目立ちたくない。


それに高城くんに見られたら…


そう思うとまだあきらめるか決めてないあたしにとっては、どうしよー!ってなる。


「茜ちゃん…照れなくていいよ!ね?」


涼はちょっと歩きながら言った。


いや…照れてないし…。


でも…ここでこれ以上逆らったら、何されるかわからないよね…。


仕方ない…。


あたしは涼と一緒に行った。


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