悪い女
「最低だね……何がしたいのよ」
「さぁ。でも、求めてるのは由依と同じ事だと思うけど」

 妖艶な笑みを浮かべながら私の唇を奪う京介。

(名前、ちゃんと覚えていてくれたんだ)

 こんな事に感動している私はやっぱり馬鹿なんだろうか。
 私を捨てていった短い付き合いの元カレにもう一度胸を焦がすなんて……やっぱりおかしいんだろうか。

「はぁ……ん……」

 絡み合う舌の感触。
 京介から香る懐かしい煙草の香り。
 その全てが私の頭を真っ白にさせ、行為を夢中にさせていった――――。

 神様……私は、悪い女ですか?

END


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