あいつと俺様
・・結婚!?
【日向恋side~】
「今日で18歳か~早いな~
・・あ!もうこんな時間!!急がないと!!」
日向恋、高校三年生!桜咲学園に通って早三年目。
「あーぁ・・
せっかく18歳になったのに何にも変わり映えしなくてつまんない―――!!」
思いっきり両腕をあげるとボカッっと何かにぶつかった。
ソロ~ッと後ろを窺うと顎を抑え、低い綺麗な声で「いてぇ――・・」と言っている男子が いる。
「ごっ・・ごめんなさぁぁい」
泣きそうになりながら深々と頭を下げる。
少し長めの前髪を鬱陶しそうにさせながら「お前、名前とクラス言え!!」と言ってくる男 子。
「・・人に名前聞く前に自分が名前名乗ってからにしてよ!!」
失礼な人だな!と思い言いたいことを言う。
「確かにそうだな」と言った後に「3-A朝日蓮!・・んで、お前は?」と聞いてくる。
(レン)という名前に少し親近感を覚えた。
「私は3-Bの日向恋!よろしくね!」
手を差し出すと朝日蓮も手を握り返してくれた。
「日向財閥の令嬢か・・なんで名前一緒なんだよ!」
ここの桜咲学園はいわゆる金持ちが通う学校と周りの学校から言われる。
実際は学力さえあればお金持ちじゃなくても入れる。・・その学力が異常なまでに高いのを 除けばなんら他の学校と差は大差ない。
朝日蓮はあたしの親の仕事について知っているみたい。
「さっさと歩かないと遅刻すんぞ、バカ」
スタスタと前を歩く朝日蓮に追いつこうと必死に歩く。
この時蓮がポケットから電話した先か内容を聞いておけば事前に政略結婚を防げたのかもし れない。
「俺、うん、うん、日向恋ってやつなら考えてもいい」