嘘吐きなその唇で



『ねぇ、変人でオッサンな朝比奈さん』



「あれ?呼び方に棘がないか?」



『私を餓死させたいの?それとも、撲殺されたいの?もしくわ、両方?』



「そう、殺気立てるなよ。戯言(ざれごと)だって」



『……』



「ほんと、灑良は冗談が通じないなぁー」



朝比奈さんは苦笑しながら、私の隣に腰を下ろす。



……オイ。



密着しすぎ、近すぎ、キモイ。



私は朝比奈さんに心底不快な表情を向けた。


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