嘘吐きなその唇で



『(朝比奈“さん”には、恋心を抱いている)』



だから、昨夜言ったことを訂正しよう。



“私には拒否する権限がないからどうすることも出来ない”。



これは、単なる口実にすぎない。



朝比奈さんが好きだから、今夜もあの部屋に入れる。



明日も入れる。



たとえ、愛がない関係であっても体を重ねる。



罪悪感が膨れ上がろうが、心の傷が増えようが、仕方のないこと。



関係を壊さない為にも、それくらいの代償は当たり前。


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