嘘吐きなその唇で

*危険度2




放課後。



久々にバイトの休みを取った私は、ちんたらと廊下を歩いていた。



いつもならHRが終わったと同時に、スタートダッシュを決め込むからなぁー……。



ゆっくり過ごせる時間があるっていいね。



と、前方に見知った背中を発見。



あの怠そうに歩く男なんて一人しかいない。



小走りで駆け寄り、後ろから背中を押す。



そして、よろけた彼を見て、私の口元が自然と緩んだ。



「……灑良だろ」



『よく分かるね』


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