嘘吐きなその唇で
「暇なら俺に付き合ってよ」
『……』
「俺と一緒にゲーセン行こう?」
誰が行くか。
と、思っていたのに。
山積みになっている小さなぬいぐるみに、真剣な眼差しを向ける私と雅哉。
雅哉は山の頂点よりやや手前にアームを落とし、アームが深く刺さるようにぬいぐるみの隙間に入れる。
そして、山崩しのように小さなぬいぐるみが落ちて行った。
『雅哉、あんた天才っ!』
「おぉー、もっと褒めろ」
私たちはしゃがみ込み、小さなぬいぐるみを取り出す。