勇者34歳
そんなに歩かずに
正規軍の詰め所に着いたので、
勝手に入る。

「依頼受けて来たんですけど。」

割と若い感じのヤツしかいない。

「えっと、依頼?」

偽物が出たのにのんびりしてるな。
大した被害でもないんじゃ…。

若めの正規兵が
言葉を発してから数秒経過したが
ホントにわからないようなので

「偽勇者の件で俺に依頼したのはそっちのはずなんですけど。」

俺は悪くない感満載だが、事実だから仕方ない。

「え?あぁ、じゃあ、あなたが、本物!?」

何だと思ったんだ。

「アザ、ありますか?!」

ちょっとウザいけどオデコのアザを見せた。

「本物ですね。てっきり新しい上司のイタズラかと思って…。」

このヤロウ、
勇者って響きで想像してた人物像より
俺がトシくってたから驚いただけだな。

今さらだし
こんな下っ端怒っても仕方ないから
さっさと偽物の事情聴取でもするか。
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