勇者34歳
「とりあえずぽこを駐車場に置いていって、後は俺が探した方が早いな。」

イルルは昼の間に巡回したしな…。

「ぽこ、銃を出しとけ!」

イルルは刀の柄を右手で掴んで
いつでも抜刀できそうだ。

駐車場に到着して
イルルを前衛に、俺が後衛の配置につく。

「ぉーぃ…!」

遠くから声が聞こえてきた。
リーヴェの声のようだ。

「ナターシャさんが見つからない。」

「マジかよ?!」

イルルが
リーヴェを攻めるような目で見つめる。

「無理だ、あの人には追い付けない。」

リーヴェって見た目からして
もやしっ子みたいだしな…。

「魔法使えよ。使えるんだろ。」

イルルがリーヴェに言う。

そういえば
リーヴェはメルスベルク鉱山で
魔族を眠らせたような気がする。

ごちゃごちゃして
全く追求する暇がなかったが…。

「集中力がすぐ途切れるからあまり使い物にならない。」

ダメじゃん!

「だから頭使ってるじゃん。」

こんなのでも一応魔法使いらしい。

むしろ魔法使いじゃなかったら
ただの足手まといだ。
どっかの国の軍師でもやったほうがいい。
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