勇者34歳
「チッ。」

リーヴェはそう言うと
意識を集中し始めたように見えた。

しかし。

「襲撃〜!魔族の襲撃だ〜!」

「うわ!?どこどこ!?」

銃を構える。

「町の東部だ!」

え?

「なんで東部なんだ?こっち側は西部だぞ!」

イルルが想定外の事態に混乱している。

「そりゃ普通に襲撃されることもあるだろうよ!乗るぞ!」

リーヴェはさっくりと集中状態を解いて
飛行車の鍵を開ける。

この場の3人が乗り込む。

「飛ばすぞ!」

「飛ばせ!」

車輪が無い車体が急浮上し、
地面の草をなぎ倒す。

「くっそ…。ナターシャも見つかってねぇのに…!」

イルルが愚痴っているが
勇者としては
町が襲撃されてるのを
ほっといちゃいけない。

偽物騒動があるにせよ、無しにせよ、な。
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