勇者34歳
「オマエら、いくら人質が邪魔といっても、普通は射たなくね?」

「回復魔法あるし。」

いつの間にか
ここにいたリーヴェがつっこむ。

「とりあえずおれらの罪を帳消しにしてほしいだけなんだが。」

「できない相談。」

ナターシャさんはとりつく島もない。

「あれあれ?そっちの赤の軍服着たオッサンにはだいぶ仲間を殺されたんだがソイツは罪に問われないわけ?」

「オマエにオッサンとか言われたくねーや。」

見た目的には
山賊リーダー(仮)のほうが
俺より老けてるみたいだから
冷静に返す。

「お姫サマ、教えてくれよ。おれがやった殺しとそこの赤いのがやった殺しは何が違うんだ?」

「行為自体は同じものだの。」

ナターシャさんが答える。

「何も違わないな。で?」

俺も答える。
山賊リーダー(仮)は
何を言いたいんだ?

「じゃあソイツも裁かれるべきじゃないかい?」

若いときだったら
コイツの言葉に
カナリ揺さぶられたことだろう。

でも俺は
俺の信念に基づく答えを持っている。

「その程度で俺を追い詰めたつもりか。」

侮られたもんだな…。
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